性暴力を受けた子の回復のために 整備求められる拠点「CAC」とは
編集委員・大久保真紀
神奈川県伊勢原市にある「子どもの権利擁護センター(CAC:Children’s Advocacy Center)かながわ」の代表を務める医師の山田不二子さん(64)は数年前、弁護士から相談を受けた。
弁護士によると、小学生の女の子が、よく会う男から性暴力を受けたと親に打ち明けた。警察は男を強制わいせつの疑いで逮捕。しかし、「子どもの証言があいまいで立証できない」として、検察は男を不起訴処分にした。
検察審査会(検審)への申し立てを検討したいが、「不起訴不当」の議決が出ることは極めてまれ。一生懸命話したのに信じてもらえなかったと少女が深く傷ついているという。
起訴の可能性を高めるためには、少女の証言が信用できることを検審に理解してもらう必要がある。だが、児童相談所や精神科医にも相談したものの協力を得られず、最終的にCACかながわに、たどり着いたとのことだった。
連載の最終回では、子どもの回復のために必要な「CAC」の役割や現状について伝えます。
司法面接で証言を引き出す
弁護士はCACかながわに少…
【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら