「1日1回は笑う」条例が山形県議会で可決 「人権軽視」と反対も

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高橋昌宏
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 1日1回笑うことなどに努める――。山形県議会最大会派の自民党が提出した「県笑いで健康づくり推進条例」案が、6月定例会最終日の5日、本会議で賛成多数で可決された。

 立憲民主党の議員などでつくる県政クラブと共産党県議団の2会派は「人権の軽視を含む」などと反対した。

 同条例は、笑う頻度が高いほど死亡リスクが低いとする山形大医学部の研究結果を踏まえ、家庭や職場などで笑いによる心身の健康づくりを推進するのが目的。

 条例では、県民の役割について「1日1回は笑う等(など)、笑いによる心身の健康づくりに取り組むよう努める」とする。事業者に「笑いに満ちた職場環境の整備」を求め、毎月8日を「県民笑いで健康づくり推進の日」と定めた。一方で「個人の意思を尊重」するとの条文を盛り込んだ。

条例は都道府県で初か

 この日の本会議では、石黒覚…

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年7月7日8時20分 投稿
    【視点】

    もし本当に「個人の意思を尊重」するのであれば、こんな条例には意味がない。「個人の意思を尊重」することが踏みにじられたなら、こんな条例には弊害しかない。 そもそも笑いとは、口角を上げればいいわけでも「わはは」と声を出せばよいわけでもなく、自然

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    常見陽平
    (千葉商科大学准教授・働き方評論家)
    2024年7月7日8時34分 投稿
    【視点】

    ■政治家はまず、笑顔があふれる地域社会づくりを  社会に笑顔が増えることはまったく否定しない。むしろ、大歓迎だ。しかし、笑いが増えれば良いというわけではない。日本には質の悪い笑いが増えている(と感じる)。地上波にしろ、YouTubeにしろ

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