川重と自衛官の癒着なぜ生まれた 裏金十数億円から商品券や飲食代

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三浦淳 田嶋慶彦 矢島大輔

 潜水艦の建造メーカーから乗組員の自衛官らに、商品券などの多額の金品が渡っていた疑惑が発覚した。防衛産業と防衛の担い手は、架空取引で捻出した裏金を原資に癒着していた。当事者らは3日、釈明に追われた。

 川崎重工業は3日、朝日新聞の取材に応じ、大阪国税局が指摘した裏金作りなどについて説明した。

 広報担当者によると、潜水艦の施工に必要な資材を供給する下請け会社と川重の間で架空取引が行われ、捻出された資金は2018~23年の会計年度で十数億円に上る。その資金で購入された金品や物品は「商品券やトルクレンチ、ワイヤロープ、ヘッドライト」などと説明。乗組員らとの飲食にも使われたという。

乗組員、川重の施設に社員と滞在 「習慣がエスカレートしたのでは」

 そうした関係はなぜ、生じた…

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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2024年7月4日6時4分 投稿
    【提案】

     このような癒着は、川崎重工業と海上自衛隊の潜水艦関連部局に限定された出来事なのでしょうか? それとも他の防衛産業や自衛隊の他部局にも存在しているのでしょうか? 防衛省には国民に納得がいく徹底的な調査をしてほしいです。  日本の抑止力を高め

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    佐藤武嗣
    (朝日新聞編集委員=外交、安全保障)
    2024年7月5日8時13分 投稿
    【視点】

     防衛費増額には、厳しい財政下にあっても、悪化する安保環境への対応が必要というのが政府の主張で、国民の一定数もそう理解している。ただ、防衛費増額「特需」の裏で、こうした防衛省・自衛隊と防衛産業、あるいはそこに政治家も関与するような癒着がはび

    …続きを読む