子の権利を重視、「女性が父」認めた最高裁 法整備の遅れ浮き彫り

有料記事

遠藤隆史 久保田一道 二階堂友紀
[PR]

 性的少数者の家族のあり方に、最高裁が一つの道をひらいた。男性から女性に性別を変えた後に生まれた娘をめぐり、男性を「父親」だと認めた。家族をめぐる現行の法制度に大きな影響はないとの見方もあるが、多様化する現実に法律が追いつかない状況は浮き彫りになっている。

 血縁は明らかでも、法的に女性の人物を「父」と認めるか――。最高裁は、子どもの視点に立つことで結論を導いた。

 親が性別変更したからと言って、親子関係がない状態になれば、子は養育や相続などで不利益を被る。そうした「子の福祉」に反する事態は許容できない、とした。

 最高裁は過去にも、同じ視点で長年の懸案を決着させている。

 遺産相続の際、結婚していな…

この記事は有料記事です。残り2575文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
遠藤隆史
東京社会部|司法クラブサブキャップ
専門・関心分野
司法、労働、福祉
久保田一道
東京社会部
専門・関心分野
法制度、司法、外国人労働者、人口減少