ロ朝条約、プーチン氏を動かした不信の「連鎖と増幅」 佐々江元大使

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聞き手・牧野愛博
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佐々江賢一郎・元駐米大使の視点(上)

 ロシアのプーチン大統領が19日、北朝鮮を24年ぶりに訪問し、金正恩(キムジョンウン)総書記と会談しました。両国は包括的戦略パートナーシップ条約を締結しました。外務次官や駐米大使などを務めた佐々江賢一郎・日本国際問題研究所理事長は、条約を等身大で分析する姿勢が必要だと語ります。

 ――24年前、佐々江さんは首相秘書官でした。

 プーチン大統領は当時、沖縄で開かれたG8サミット(主要8カ国首脳会議)に初めて参加しました。その途中、訪朝して金正日(キムジョンイル)総書記と会談しました。

 当時、日米欧諸国は冷戦での勝利を背景に、パートナーとしてロシアをどのように受け入れていくのかを考え、原子力潜水艦解体への支援などを行いました。プーチン大統領もG8のなかで、北朝鮮との関係を生かして建設的な役割を果たしたい考えを持っていました。

 しかし、その後、欧州はロシアを枠組みのなかに取り入れることができませんでした。欧州諸国はロシアへの不信感をぬぐえず、ロシアはジョージアやコーカサス地方に軍事介入を行い、ウクライナに侵攻しました。

 プーチン氏は、「ロシアは北…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
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外交、安全保障、朝鮮半島
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