夫婦同姓の強制「ビジネスでリスク」 経団連、早期の別姓導入求める

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木村裕明 岡林佐和

 経団連は10日、選択的夫婦別姓制度の早期導入を政府に求める提言を公表した。ビジネスの現場では旧姓の使用が進むが、弊害も多く出ているとして、夫婦別姓を認めるべきだとした。主な政党で制度導入に反対しているのは自民党だけで、主要経済団体からの提言を受け、導入への動きが強まる可能性がある。

 日本では民法で夫婦同姓が定められ、95%の夫婦は妻が改姓している。

 提言では、経済界でも旧姓を通称として使うことは定着したが、通称では口座やクレジットカードを作れないなど「解決できない課題も多い」と指摘。通称使用は日本独自の制度のため、海外では理解されづらく、不正を疑われるなど「トラブルの種になることもある」とした。

 こうした弊害は当事者がキャリアを築いていく上での障壁になるだけでなく、「女性活躍の着実な進展に伴い、企業にとってもビジネス上のリスクとなり得る事象であり、企業経営の視点からも無視できない重大な課題」だと主張。課題を解消するため、「政府が一刻も早く改正法案を提出し、国会において建設的な議論が行われることを期待したい」と求めた。

 経団連は今年に入ってから政…

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この記事を書いた人
木村裕明
経済部|財界・民間企業担当
専門・関心分野
企業経営、働き方、ダイバーシティー、企業による社会課題解決、障がい児・者との共生社会
岡林佐和
経済部
専門・関心分野
税と社会保障、ジェンダー平等政策
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    高橋真樹
    (ノンフィクションライター)
    2024年6月11日11時15分 投稿
    【視点】

    最近の世論調査からもわかりますが、社会では選択的夫婦別姓の導入に対する理解は広がっています。共働きの家庭が増え、多くの女性が結婚後も仕事を続けるようになった現在、このような提言が出されたのは必然です。 私の身の回りには、旧姓を使って仕事や

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  • commentatorHeader
    今野忍
    (朝日新聞政治部記者=政局、選挙)
    2024年6月10日17時41分 投稿
    【視点】

     日本最大の企業連合である経団連までも、選択的夫婦別姓制度の導入を提言した。 「一刻も早く実現を」というメッセージには切実さを感じる。  経団連の自民党への献金額が20億円程度。こういうときぐらい、金もらっている意見を聞いても国民は怒らな

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