人工飼育されたライチョウ、野生復帰へ 「復活作戦」の最大の難関

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 中央アルプスで環境省が進めている「ライチョウ復活作戦」は今年度、最も難しいチャレンジを迎えます。動物園で人工飼育したライチョウの若鳥の野生復帰です。中央アルプスから移送して繁殖させたライチョウを野生復帰させた例は2年前にありますが、人の手で育てた個体は初のケースです。今回の挑戦が、どれほど困難なプロジェクトなのか説明します。

 環境省は2014年から、絶滅の恐れがあるライチョウの保護増殖事業に取り組んでいます。1980年代に約3千羽と推定された生息数が、2000年代には2千羽弱まで減少。テンやキツネなど里山の動物が高山帯に侵入し、ライチョウの新たな捕食者になったのが原因と考えられます。

 保護増殖事業は「二本柱」の取り組みです。ライチョウを生息地で保護する「生息域内保全」、動物園などの飼育施設で繁殖・研究する「生息域外保全」です。

 近年、生息域外保全は様々な鳥類で実施されています。国内で野生個体が絶滅したトキとコウノトリは、外国産の個体を増やして野生復帰に成功しました。希少種の保護増殖で飼育施設が果たす役割は大きいのです。

原虫と細菌への感染、生存のカギに

 ライチョウの生息域外保全は…

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