第3回親への罪悪感、必要ない 「毒親絶縁の手引き」が必要とされる社会

有料記事さらば毒親

聞き手=山本悠理 編集委員・岡崎明子

 子どもを支配したり、傷つけたりする「毒親」から、どうやって離れれば良いのか。自身も父親からの虐待に苦しんできた当事者が、「毒親絶縁の手引き」(紅龍堂書店)を出版した。公的制度を利用しながら肉親と縁を切る方法を調べる中で見えてきた「社会の危うさ」について、匿名で出版した著者に聞いた。

 私自身、7年ほど前からDV等支援措置を利用して父から離れています。ただ当初は支援措置の存在さえ知らず、ここにたどり着くまでに、途方もない苦労をしました。

 父は、子どもたちを自分の所有物だと考えていました。虐待は日常茶飯事。母がいなくなった後は、子どものために食事を作ることもなく、家にもほとんど帰りませんでした。

 成人後、一人暮らしを始めると、今度は執拗(しつよう)なストーキングが始まりました。

 何度、引っ越しを繰り返しても、家の場所を探し当て、日付入りの写真を撮影して郵便受けに直接入れられる。「このクズが」と書かれた真っ赤な手紙が入っていたこともあります。

 15年ほど前、初めて弁護士に相談したときに言われた言葉に、がくぜんとしたことを覚えています。

 「親と縁を切る方法は、日本にはありません」

 でも、私は運がよかった。その後、DV問題に詳しい他の弁護士と出会ったり、交通事故でお世話になった警察の方に「それは犯罪です」と教えてもらえたり。

 そこから自分でも資料をかき集め、実際に公的機関とやりとりする中で、親と離れるにはどうすれば良いかがわかってきました。

 ようやく生活が落ち着いてき…

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この記事を書いた人
山本悠理
デジタル企画報道部

現代詩、現代思想、演劇・演芸、法律学

岡崎明子
編集委員|セグメント編集長

医療、生きづらさ、ジェンダー、働き方

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    塚田穂高
    (文教大学国際学部教授・宗教社会学者)
    2024年5月31日21時38分 投稿
    【視点】

    連載「さらば毒親」全3回の最終回。 記事中『毒親絶縁の手引き』は、ぜひ読みたいと思います。 >(書籍作成にあたり)虐待の被害者をはじめ弁護士、社会福祉士といった専門家や、子どもシェルターの担当者など、50人以上の方からアドバイスを受けまし

    …続きを読む