リニア中央新幹線、工事の差し止め請求を棄却 甲府地裁判決
棟形祐水 池田拓哉
東京・品川―名古屋間で工事が進むリニア中央新幹線をめぐり、山梨県南アルプス市の地権者ら6人がJR東海に工事の差し止めなどを求めた訴訟の判決が28日、甲府地裁であった。新田和憲裁判長は「工事自体を差し止めるほどの違法性があるとは認められない」として、請求を棄却した。
判決は、走行時に何らかの騒音被害は予想されるが、防音壁設置など相応の対策が予定されていると指摘。リニア車両は在来型新幹線より地盤振動が小さい特徴があり、振動被害の程度は大きくないとした。また、工事には高度な公共性、公益性が認められ、財産上の価値下落という原告らの不利益は「受忍限度の範囲にとどまる」とした。
原告側は、地価が下落し、開業後には農地が分断されたり、騒音や振動で健康被害を受けたりすると主張。所有する宅地や農地などに関わる市内約5キロの工事差し止めや、慰謝料などとして原告1人あたり100万円の支払いを求めていた。
原告側は判決後、控訴する方針を示した。
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