増える無料喫煙所、経営支えるのは飲み物と補助金 その背景は

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小川聡仁

 東京都や神奈川県、大阪府の雑居ビルの一角などで、真新しい無料喫煙所が増えている。誰が何の目的で。取材を進めると、背景にはコロナ禍と2020年の法改正があった。

 東京都港区、東京メトロ・溜池山王駅近くの一角にある雑居ビル。地下の1室に1人、また1人とスーツ姿の会社員らが吸い込まれていく。

 今年4月にオープンしたばかりの無料喫煙所。5畳程度の部屋が二つ連なり、大型の空気清浄機や自動販売機、エアコンが設置されている。利用者の男性(40)は紙たばこを吸いながら、「気兼ねなく吸える。このあたりは喫煙所が少ないので、助かります」。

 運営するのは「スキマデパート」(東京都千代田区)。「吸わない人も吸う人にも快適な環境を創造する」ことを掲げ、5年間で千代田区や港区、中央区など都内7市区の雑居ビルなどに43カ所を新設。1日延べ4万5千人が使う。

きっかけは、一台の自販機

 同社はもともと自動販売機の…

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この記事を書いた人
小川聡仁
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
人口減少、法律、経済、震災、商品