津軽三味線の上妻宏光、チェロ・宮田大と共演 「安全」の先への挑戦

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野城千穂
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 ロックやジャズ、ボサノバといった多様な音楽を取り入れ新たな響きを模索してきた津軽三味線奏者の上妻宏光が、今度はチェロ奏者・宮田大とのセッションツアーに挑む。「東洋と西洋の交わりや、新しい扉を開くのが自分は好き」と語る上妻。クラシックの弦楽器奏者と1対1で組むツアーは自身初の試みという。

 演奏するのは民謡をベースにした「NIKATA」やドビュッシーの「月の光」、ピアソラの「タンゴの歴史」など。互いの楽器のホームとアウェーを行き来しながら、歩み寄っていくようなプログラムだ。

 6歳で津軽三味線を始め、10代後半で和洋折衷のロックバンド「六三四Musashi」に加わるなど、津軽三味線の可能性を探り、広げ続けてきた。「興味の向くままに世界中に旅行をしているような感覚」と淡々と語る。

 三味線が余白の多い水墨画だとしたら、ピアノやギターなど和音楽器は油絵で、音の明暗や色合いをより分かりやすく表現できるという。しかし、そんな楽器との共演には「違う世界に連れて行ってくれる」と感じると同時に、「安全な方法でやっている自分の感覚がちょっと嫌。頼りすぎるのは良くない」とも思っていた。

 だからこそ今回、チェロとの…

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この記事を書いた人
野城千穂
文化部|音楽担当
専門・関心分野
音楽、舞踊