「もらっていいのか…」20万円受領の3区議、背景にある対立の構図
野田枝里子
タワーマンションが立ち並ぶ東京・豊洲の一角。ひっきりなしに人が行き交う歩道上で、江東区議の一人は衆院議員の秘書から祝儀袋を受け取った。
その中には、現金20万円が入っていた。
「これ、収支報告書にのせて大丈夫なやつ?」
区議はそう言いながら、祝儀袋を受け取った。
この20万円は、選挙における違法な「買収」にあたるのか、それとも、寄付にあたる選挙の「陣中見舞い」なのか――。
そんな現金の趣旨が争われた公職選挙法違反事件の判決が16日、東京地裁で言い渡された。
舞台となったのは、2023年4月にあった江東区長選だ。
「保守分裂」で浮き彫りになった自民党内の確執
人口50万人超の江東区は、タワマンが立ち並ぶエリアと下町情緒が残る地区が混在し、お台場の一部や豊洲市場といった観光地も抱える。
区長選には自民党の元衆院議…