「不適切」その言い方が不適切 差別の研究者が考える公人の責任回避

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聞き手 編集委員・塩倉裕
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 「不適切にもほどがある!」と題するドラマが注目を集めた。昭和の時代と現代とを対比させることで、ハラスメントや差別について再考させる物語だった。だが、レイシズム研究者の梁英聖さんは「不適切という言葉を使うことが不適切」だと語る。なぜなのか。

 差別や人権侵害の疑いがある問題を語る際に「不適切」という言葉を使うことは、やめるべきです。

 不適切さの中身を具体的に言わずに済んでしまう言い方だからです。実際、差別をした人が差別だと認めずに謝る際に最も便利な言葉として使われているのが「不適切でした」です。

 残念ながら日本では、差別や人権侵害を明るみに出すべき報道機関までが「先ほど不適切な発言がありました」といった言い方を使っているのが実情です。

 あいまいな言葉で謝るのは責…

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