原発作業員の減少で… 「核のごみ」文献調査を求める請願の内容

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添田樹紀 森田博志 岡田将平 渕沢貴子
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 佐賀県玄海町で、原発から出る「核のごみ」の最終処分場選定に向けた「文献調査」を求めて町議会に提出された請願の内容が明らかになった。廃炉による原発作業員の減少で打撃を受けているなどと説明し、「国への協力」を訴える内容だ。

 請願を出したのは旅館、飲食、建設関連の各団体で、17日の町議会特別委員会で審査される。

 町旅館組合(野崎隆行代表)の請願は、「(玄海原発の)作業員を通年で受け入れることにより、安定的な経営が可能となる状況が長らく続いていた」が、原発4基のうち2基の廃炉が決まり運転が停止してから「旅館を利用する作業員も減少し、経営的に厳しい現状」と記した。そのうえで、「放射性廃棄物の発生原因を有する自治体の責務」として、文献調査を求めている。

 町飲食業組合(川崎隆洋代表)の請願も、廃炉による作業員の減少にコロナ禍が重なり「大幅に売り上げが落ち込んでいる」として、残る2基の廃炉も見据え「最終処分場に関しては新たな産業振興策における『選択肢のひとつ』」と踏み込んだ。

 建設事業者でつくる町防災対策協議会(宮崎松千代会長)の請願は、能登半島地震や2016年の熊本地震などに触れ、「玄海原発の立地場所が安全か再確認するためにも文献調査をし、地質状況を十分に把握することが必要」と訴えている。

 玄海原発は1975年に1号機が運転を始めた。町によると、旅館や飲食店は原発立地を機に開業したところも多いという。定期検査のときに特に作業員の数が多く、4基すべて運転していたときは、検査が行われている時期が長かったが、今は半分に減り、担当者は「違いは大きい」。

 原発がもたらす経済効果は縮んでいるが、町の財政は潤沢だ。当初予算約100億円のうち6割を原発関連収入が占め、県内唯一の地方交付税の不交付団体だ。

 観光スポットでもある町内の…

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