叡王戦第3局で伊藤七段が勝利 藤井叡王2連敗で初失冠の窮地に

北野新太

 将棋の第9期叡王(えいおう)戦五番勝負(不二家主催)第3局が2日、名古屋市で指され、挑戦者の伊藤匠(たくみ)七段(21)が藤井聡太叡王(21)=名人・竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=に146手で勝ち、シリーズ2勝1敗とし、初タイトル獲得に残り1勝と迫った。

 藤井叡王が同一のタイトル戦で連敗するのは初めて。先にカド番を迎えるのも初のケースとなる。2020年の初タイトル獲得以降、決着した21度のタイトル戦では全て獲得してきたが、初失冠の窮地に立った。終局後は「カド番にはなってしまいましたけど、やることは変わらないので、第4局もしっかり準備して頑張りたいと思います」と述べた。大盤解説会場に移動した後、ファンの前では「ちょっと厳しい状況になってしまったんですけど、開き直って頑張りたいと思います」と語った。

 第2局で対藤井13戦目での初勝利を挙げた伊藤は、再び終盤の熱戦を制して一気の連勝。初タイトルに向け「スコアは王手をかけることができたんですけど、内容は課題も残る将棋だったので、次局まで少し間が空くので、しっかり振り返って臨めればと思います」と述べた。

 第4局は31日に千葉県柏市で指される。(北野新太)…

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません