100年後、栄えるのは東京と福岡だけ 経済学者の衝撃的予測の意図

有料記事

聞き手 シニアエディター・尾沢智史

 2120年の日本は、人口が江戸時代レベルまで減り、都市は激減し、栄えるのは東京と福岡だけになる――。経済学者の森知也・京都大教授らのシミュレーションが注目されている。統計予測モデルから導かれる100年後の日本社会の姿はどんなものか。いま未来に向けて何をすべきなのか。

 ――100年後の日本では、人口10万人以上の都市の数が半減する。多くの地方都市が消え、大都市で人口シェアを増加させるのは東京と福岡だけ、というのは衝撃的な予測ですね。

 「都市が消滅する理由は単純で、日本全体の人口が減るからです。人口減少はすごい勢いで進むが、日本ではどこかひとごとのようなところがある。一つの理由は、規模感がわからないということがあると思います」

 ――総人口は、5千万人から3千万人ぐらいまでに減るという想定ですね。

 「人口戦略会議では8千万人で食い止めようと様々な提案をしていますが、今の人口減少ペースでは難しそうです。江戸時代と同じ3千万人台に減るというのが現実的な想定なのですが、行政も国民も危機感が足りません」

福岡が人口シェアを伸ばす利点とは

 「人口減少については、20…

この記事は有料記事です。残り3110文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2024年4月16日14時24分 投稿
    【視点】

    “このまま東京一極集中に代表される地方から都市部への人口移動の流れが止まらなければ、人口減少は加速し、日本全体を衰退に導く”という「地方消滅」論が大きく取り上げられてから10年ほど経つかと思うが、やがては大阪のような大都市も淘汰の対象となり

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    仲岡しゅん
    (弁護士)
    2024年4月17日14時51分 投稿
    【提案】

    日本の人口がこれから減っていくのは確実なので、この記事のシミュレーションはもはや衝撃ではなく、必然だとすら思う。 少子化対策は必要ではあるが、かといって現実に出生率を劇的に上げるような処方箋も見当たらない。 他方、世界全体での人口は増え続

    …続きを読む