四国の中小私鉄とバス8社、前年上回るベア 大手には及ばず
四国の中小私鉄とバス12社の今年の春闘で、8社が基本給を底上げするベースアップ(ベア)など前年を上回る賃上げを回答し妥結したことが、私鉄総連四国地方連合会のまとめで分かった。ただ、地方の鉄道やバスの経営環境は厳しく、賃上げの水準は大手や他産業には遠く及ばないという。
会社側が労組に前年実績を上回るベアなどを回答し、妥結したのは高知西南交通、ことでんバス、琴参バス、瀬戸内運輸、宇和島自動車、徳島バス、大川自動車、四国交通。ベア分は2800~6500円だった。いずれも私鉄総連の統一要求額のベア分1万4600円とは大きな開きがある。
高松琴平電気鉄道、とさでん交通、高知東部交通は、制度に基づく昇給など、前年と同じ回答だった。
伊予鉄道と伊予鉄バス(いずれも松山市)は平均5%の賃上げを今年1月から実施している。
私鉄四国地連は、新型コロナの5類移行により利用者が戻り、各社の収益が改善し、この間各社が実施した運賃値上げによる増収もあって、前年を上回る賃上げに踏みきる会社が増えているとみている。
大塚達夫書記長は、「4月から適用されるバス運転者の改善基準告示で1日の休息期間が1時間延び9時間になることもあり、各社運転手不足が深刻だ。新規雇用と現在いる従業員の引き留めを狙っての賃上げという側面もあるのではないか」としている。
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