第1回「最も倫理的」なイスラエル軍 増える民間人の犠牲に彼らの答えは

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エルサレム=高久潤
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 「お前の家は、ここか」

 イスラエル軍の兵士が示した先には、灰色のがれきに変わった我が家が見えた。

 パレスチナ自治区ガザ北部のガザ市でアイスクリーム屋を営んでいたサエド・アブジャベルさん(33)は、数人の兵士に拘束され、執拗(しつよう)な尋問を受けていた。

 家族で守ってきた自宅が、跡形もない。「これが私の家だったか?」。一瞬、目を疑ったが、そこにあるのは紛れもなく「我が家だったもの」だった。

 「どうして、壊したんだ!」。怒りで全身が熱くなって、兵士に詰め寄った。

電気ショックと侮辱の言葉

 「私はハマスとは何の関係もない。他のどんな組織ともつながりはない。(イスラエル軍の)指示に従って『安全な南部』へ退避していた、ただの商人じゃないか」

 どんなに憤っても、兵士は表情一つ、変えなかった。

イスラエル軍の作戦が激化しているのは、ガザだけではありません。後半では朝日新聞の質問に対するイスラエル軍の回答も紹介します。

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 アブジャベルさんが拘束され…

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この記事を書いた人
高久潤
エルサレム支局長
専門・関心分野
グローバリゼーション、民主主義、文化、芸術
イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル・パレスチナ問題

イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]