米WSJ、1面に「空白」 ロシアでの記者拘束1年に抗議

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ニューヨーク=中井大助

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシュコビッチ記者が、ロシア当局に拘束されて29日で1年が経つ。WSJは29日付の1面でゲルシュコビッチ記者の署名と似顔絵の下に、大きな空白と「ここに彼の記事があるべきだった」という見出しを掲載した。「ロシアの刑務所での1年。盗まれた記事、喜び、記憶の1年。(彼が犯した)罪はジャーナリズム」と記して抗議した。

 ゲルシュコビッチ記者は2023年3月29日、エカテリンブルクでロシア当局によってスパイ容疑で拘束された。WSJも米政府も容疑を否定し、解放を求めているが、実現していない。

 WSJによると、ゲルシュコビッチ記者は現在、モスクワの刑務所に収監され、1日のうち23時間は房の中で過ごしている。毎週、ロシアの弁護士と面会。定期的に裁判所へ出頭し、裁判官によって拘束が延長されているという。

 WSJのエマ・タッカー編集…

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この記事を書いた人
中井大助
アメリカ総局長
専門・関心分野
アメリカの社会、政治、文化
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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2024年3月31日11時8分 投稿
    【視点】

    私の理解によると、ゲルシュコビッチ記者が逮捕されたのは、軍需工場を取材しようとしたことが原因だったのだと思う。 エカテリンブルクの北に位置するニジニタギルという都市がある。そこには、ウラル鉄道車両工場という工場が所在する。鉄道車両と言いつつ

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