ニーズ高まる通信制高校、生徒・学校急増 説明会満席、難関大合格も

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本多由佳
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 通信制高校の存在感が、近年高まっている。生徒数も学校数も急増しており、生徒のさまざまなニーズに応えようと、学び方や学ぶ内容も多様化している。一方、学びの質にはばらつきも目立ち、行政側は対策に力を入れている。(本多由佳)

 「自らの意思で、時間を自由に使える。将来の自分を思い描き、そのためにいま何をすべきか考えて行動できる人は、通信制課程の学びに向いていると思います」「いま自分が何をすべきかがあやふやな人は、何もせずに時間が過ぎてしまう可能性もあります」

 今月9日、東京都立新宿山吹高校(新宿区)であった学校説明会で、永浜裕之・統括校長はこう語った。この時期に説明会をするのは、都立の通信制高校の入試が、4月に入ってからあるためだ。この日は約170人の中学生や保護者らが参加し、会場はほぼ満席。全体説明の後も、個別に質問をしたい参加者が、教員の前に列をなしていた。

「勉強と研究、強弱つけ」 難関大合格も

 同校は1991年、夜間定時制に通う生徒の多様化や社会人のニーズに対応するため、都立初の通信制課程併設の定時制高校として開校した。2022年には「Web学習コース」を新設。毎週土曜日のスクーリング(面接指導)のうち、半分はオンライン学習、残り半分を夏休みに集中的に行えるようにした。

 同校の特徴の一つが、毎年のように東京大や慶応大など難関大の合格者が出ていることだ。説明会で、進路指導の担当者は「学校をどんどん活用してほしいが、基本的には生徒自身が頑張って結果を残している」としたが、永浜校長は「進学実績を見て生徒が集まってくる」と話す。

 今春卒業し、東京大に進学す…

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    内田良
    (名古屋大学大学院教授=教育社会学)
    2024年3月29日2時34分 投稿
    【解説】

    「自らの意思で、時間を自由に使える」との校長の言葉にもあらわれているとおり、通信制高校は自由度が高い学校が多いです。それは、学習の内容や方法だけでなく、校則も同じです。多くの全日制高校では頭のてっぺんからつま先まで、身なりのルールが細かく定

    …続きを読む