駅長と副駅長は地域猫の兄弟 100匹以上から抜擢、地方路線救うか

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黒田陸離
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 駅長が副駅長の額を毛づくろいすれば、副駅長は駅長の背中を前脚でぽんぽんと押す。のんびりとした谷あいの駅で、お互いの労をねぎらうような2匹の子猫。元駅長の中原英起さん(78)は「先代にはかなわんけど、じゃれ合うのがこの子らの魅力」と目を細める。

 駅長の「やまと」と、副駅長の「ちどり」。2匹は3月17日、広島市安佐北区のJR志和口駅の5年ぶりとなるネコ駅長に就いた。それも、これまでにない事態に直面する沿線住民の大きな期待を背負って――。

 2匹は、志和口駅近くで生まれた地域猫の兄弟。4月に1歳(推定)を迎える。そんな彼らを、中原さんら住民が見守ってきた。

 「やまと」の名前は、「日本中に路線の魅力を伝えてほしい」という願いから。「ちどり」はかつて走っていた急行列車からとった。他のきょうだいの中でも、特に人を怖がらずおっとりしていたのが「やまと」。ともに行動して、愛敬と食べっぷりで駅長をしのぐのが「ちどり」だ。

2万人集めた偉大な「先代」

 ネコ駅長の後任選びに時間がかかったのは、「先代があまりにすばらしかったから」だった。

 先代も2010年ごろに駅に…

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