法人化案に抵抗の「鎖」 学術会議の総意は? 異例の総会始まる

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竹野内崇宏
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 法人化法案を受け入れるのか、拒否するのか―。「学者の国会」とも呼ばれる日本学術会議の行く末を左右する、異例の通常総会が14日午前、始まった。

 法人化法案は、現行の「国の特別の機関」を廃止し、独立した特殊法人へと移行するもの。18日にも国会での審議入りが見込まれるなか、政府主導の一方的な「組織改正」に対して、15日までの総会で学術会議としての最大の意思決定である、決議を行えるかが、大きな焦点となる。

 総会には、内閣府に対して確保を求めていたナショナル・アカデミーの要件が満たされていないなどとして、人文系を中心とした会員56人が法案の修正を求める議案を提出。一方で、法案の提出を「非常に残念」としつつ十分に慎重な審議を望むとする光石衛会長提案の声明案も提出された。

 14日朝の総会開始直前には、東京都港区の庁舎前で、法人化に反対する研究者や市民らによる「人間の鎖」が行われた。「学術会議の独立を守れ」「権力介入は許さない」などと書かれたプラカードやリボンを持った60人余りが、敷地を囲うように手をつなぎ、シュプレヒコールも上がった。

 京都橘大学元教授の小寺隆幸…

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日本学術会議問題

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菅義偉首相(当時)が2020年、日本学術会議が推薦した学術会議会員候補のうち6人を任命しませんでした。学術会議は「学術の独立性」を掲げて反発。政府・与党は、論点をずらす形で組織改革を打ち出し、学術会議を法人化する法案を提出しています。関連ニュースをお伝えします。[もっと見る]