コロナ対策の不正や無駄1600億円 専門家「途中で見直せたはず」

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座小田英史

 2022年度までの国のコロナ対策予算に関して、会計検査院などの指摘で不適切な支出だと認定された金額が、少なくとも約1600億円にのぼることがわかった。事業者や世帯に早くお金を配ることを優先したことが一因だが、専門家からは、途中で制度を見直すことで一部は防げたとの指摘がある。

 政府はこれまで、コロナ対策として100兆円を超える予算を計上してきた。そこで朝日新聞は、検査院の調べや、検査院から指摘を受けた各省庁や自治体の調査で、不正や無駄があるとして「不適切」だと認定した事業の総額を集計した。その結果、今年2月末時点で判明したのは延べ51事業、約1600億円となった。

 コロナ患者を受け入れるため医療機関が病床を空けた際に、厚生労働省が補助金を交付した「病床確保事業」では、55億円が過大に支払われていた。多くの医療機関が患者の退院日を「空床」と誤って計算していたことが原因だ。

 検査院の指摘でその後、厚労…

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この記事を書いた人
座小田英史
熊本総局|警察司法、公共政策
専門・関心分野
財政、公共事業、調査報道、農業
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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2024年3月17日14時56分 投稿
    【視点】

    会計検査院が存在感を示しています。というのも、この1月に新しくトップに就任した田中弥生院長を中心に、より国民にむけた検査報告を意識する改革が進行しているからです。この記事にある「コロナ対策予算における不適切な支出」についてはもちろん、昨年1

    …続きを読む