米オープンAI、仏紙ルモンドと提携 記事提供やAI訓練への活用で
対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を運営する米オープンAIは13日、仏紙ルモンド、スペイン紙エルパイスを発行するプリサメディアとの提携を発表した。報道機関の記事をAIの訓練に使うことが著作権侵害にあたるとの批判が相次ぐなか、オープンAIは欧米の主要メディアとの提携を広げている。
発表によると、今後数カ月でチャットGPTの利用者が両社の最新の記事を見られるようになるほか、オープンAIの基盤モデルの訓練に両社の記事を使うという。オープンAIのブラッド・ライトキャップ最高執行責任者(COO)は声明で「我々は新たなAI技術の適用とコンテンツ制作者の機会を広げることで、ジャーナリズムの支援に貢献していく」と述べた。
オープンAIはこれまで、米AP通信のほか、ネットメディア「ポリティコ」などを運営するドイツの大手メディア企業アクセル・シュプリンガーなどと記事の提供などで提携してきた。一方で、米ニューヨーク・タイムズ紙は昨年、オープンAIが同紙の記事を無断でAIの訓練に使って「ただ乗り」しているとして提訴に踏み切った。
オープンAIの法務担当幹部チェ・チャン氏は12日、テキサス州オースティンでのイベントで、報道機関との連携について「他にも多くの企業と協議をしている」と明かした。