オオサンショウウオ、交雑個体を駆除対象の「特定外来生物」に指定へ

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矢田文
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 環境省は、中国から持ち込まれた外来種の「チュウゴクオオサンショウウオ」と、その交雑個体について、それぞれを外来生物法に基づく特定外来生物に指定する方針を決め、8日公表した。在来種のオオサンショウウオの保全においては、交雑個体の存在が大きな課題となっていた。

 チュウゴクオオサンショウウオは原産地の中国から1970年代ごろに食用として輸入された。その後、逃げ出した個体が野生化し定着した。チュウゴクオオサンショウウオ自体が野外で見つかることは今ではほぼないが、国の特別天然記念物であるオオサンショウウオとの交雑による雑種の増加が深刻化しており、在来種の保全に悪影響を与えていた。

 こうした種を超えた交雑は、遺伝子の攪乱(かくらん)を引き起こしてしまう。その結果、人間が生きていく上で必要な生物多様性の損失をもたらすことにつながる可能性もある。

 世界のオオサンショウウオの…

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この記事を書いた人
矢田文
くらし科学医療部|原子力・災害担当
専門・関心分野
生物多様性、環境、沖縄、依存症