法制審で浮かんだ三つの論点 離婚後の「共同親権」、慎重な声も

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久保田一道 野口憲太 島崎周
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 婚姻中だけでなく、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入に向けた関連法案が、今国会で審議されることになった。慎重な声は根強く、法制審議会(法相の諮問機関)の部会でも賛否は分かれた。どんな課題があるのか。法制審の審議などから浮かんだ三つの論点をまとめた。

DVや虐待の存在、どう防ぐ?

 一つ目の論点は、離婚前の家庭内暴力(DV)や虐待の存在を見極め、被害を防げるかだ。

 法務省が2021年に公表した協議離婚の実態調査で、30~40代の男女計1千人に離婚原因を複数回答で尋ねたところ、「精神的な暴力」は21・0%だった。「経済的な暴力」は13・5%だったほか、「身体的な暴力」は7・9%、「子への虐待」も4・1%あった。裁判離婚の場合は、さらに多い可能性がある。

 改正案は、父母の一方が虐待…

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この記事を書いた人
久保田一道
東京社会部
専門・関心分野
法制度、司法、外国人労働者、人口減少
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権