就活はなぜつらい? コネからの解放と「呪い」、識者とたどる歴史

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江戸川夏樹
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 2025年3月に大学を卒業する学生の就職活動が1日、解禁された。今年は売り手市場と言われるが、就活は「つらい」と考える学生は少なくない。歴史を振り返ると、つらさの根源にあるのは「自由」。就活の歴史に詳しい駒沢大学の山口浩教授(経営学)にひもといてもらった。

 戦前、大学の数が少なかったため、大卒者の就職は比較的簡単だった。だが、大学が増加するにつれ、景気に左右されるようになる。

 この傾向は戦後も続く。近親者や知人の「コネ」に加え、大学が出す推薦状や研究室の推薦に依存する就職が一般化。筆記試験や身体検査もあったが、もっとも重視されたのは面接で、「コネが大きな役割を果たした」と山口教授は話す。

 1950年代からの高度経済成長期に入ると、空前の売り手市場に。60年6月7日の天声人語には「青田買い」の言葉が登場し、70年の朝日新聞には「就職ゲリラ」という言葉が出てくる。とにかく学生がほしい――。就職ゲリラは、そんな企業の弱みを突き、各地の会社に交通費や旅行費を出してもらい、旅行気分で就職試験を受け、あえて不合格になる回答をしたり、内定を断ったりする学生たちを指す。

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