大正生まれの「モハ103」、CFで1500万円達成 危機を脱出

辻岡大助
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 地方私鉄「山形交通三山線」(山形県寒河江市西川町間)で半世紀前の廃線まで客車や工事車両として使われた木造車両「モハ103」について、三山電車保存会(事務局・西川町)がクラウドファンディング(CF)で募ってきた修繕の支援金が2月29日、第2目標の1500万円を突破した。

 1926(大正15)年12月に製造されたモハ103。保存会によると、大正期の木造車両は全国でも数例しか残っておらず、貴重な鉄道遺産だという。豪雪地帯で老朽し、6年前には積雪の重みで屋根が陥没。倒壊の危機にあったが、目標の支援金額に達したことで、完全修復と一般公開に向けて軌道に乗った。

 「本日最終日 駆け込み乗車は23時まで!」

 支援金の募集期限だった29日、そんな呼びかけがCFのサイトに載った。CFは1月15日に始まり、外観の修繕に必要な第1目標の850万円を2月16日に突破。29日午前10時、内装の修繕も含めた第2目標の1500万円まで残り172万円となっていた。

 「駆け込み乗車」の訴えは功を奏したようだ。支援金の総額は1523万5千円、支援者は延べ603人に達した。

 車両の修繕は予定通り、今年4月に着手。保存会は、この木造車両を完全修復したうえで町に寄贈し、「100歳」の誕生日を迎える2026年に町内で一般公開をしたい考えだ。

 保存会の古沢勝広会長は取材に「若者からお年寄りまで、様々な世代の方々からモハ103を気にかけていただき、感激しています。車両が200歳まで生きていけるように、修繕に努めたい」と話している。(辻岡大助)

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