「宝塚は治外法権ではない」死亡女性の妹が声明、早期の解決求める

宝塚歌劇団問題

[PR]

 宝塚歌劇団兵庫県宝塚市)の劇団員の女性(25)が昨年9月に死亡した問題で、27日に遺族の代理人弁護士が開いた会見のなかで、亡くなった女性の妹による声明が読み上げられた。

 声明では、妹が自身も宝塚歌劇団の現役団員であることを明かした上で、亡くなった女性が劇団内で受けた行為について、「パワハラ以外の何ものでもありません」と強く批判。「これ以上無駄に時間を引き伸ばさないでください」と、早期の解決を訴えている。

 代理人弁護士が読み上げた声明は次の通り。

    ◇

2024年2月27日

訴え

(宝塚歌劇団現役団員)

私は遺族として、大切な姉の為、今、宝塚歌劇団に在団している者として想いを述べます。

いくら指導という言葉に置き換えようとしても、置き換えられない行為。それがパワハラです。

劇団員は宝塚歌劇団が作成した【パワーハラスメントは一切行わない】という誓約書にサインしています。

それにもかかわらず、宝塚歌劇団は、日常的にパワハラをしている人が当たり前にいる世界です。

その世界に今まで在籍してきた私から見ても、姉が受けたパワハラの内容は、そんなレベルとは比べものにならない悪質で強烈に酷い行為です。

厚生労働省のパワハラの定義を見れば、姉が受けた行為は、パワハラ以外の何ものでもありません。

宝塚は治外法権の場所ではありません。宝塚だから許される事など一つもないのです。

劇団は今に至ってもなお、パワハラをおこなった者の言い分のみを聞き、第三者の証言を無視しているのは納得がいきません。

劇団は、生徒を守ることを大義名分のようにして、パワハラを行った者を擁護していますが、それならば、目撃したパワハラを証言してくれた方々も、姉も同じ生徒ではないのですか。

そもそも【生徒】という言葉で曖昧にしていますが、パワハラを行った者は、れっきとした社会人であり、宝塚歌劇団は一つの企業です。

企業として、公平な立場で事実に向き合うべきです。

スケジュール改革や、各種改善策に取り組んでいるような発表をしていますが、姉の死を軽視し、問題を曖昧化しているとしか思えません。

これ以上姉と私たち遺族を苦しめないでください。

姉は体調を崩している訳でも、入院している訳でもありません。

二度と帰ってきません。

姉の命の重さを何だと思っているのでしょうか。

劇団は、「誠意を持って」「真摯に」という言葉を繰り返して、世間にアピールしていますが、実際には、現在も遺族に誠意を持って対応しているとは思えません。

これ以上無駄に時間を引き伸ばさないでください。

大切な姉の命に向き合ってください。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

宝塚歌劇団問題

宝塚歌劇団問題

宝塚歌劇団の劇団員の女性が死亡した問題。関連ニュースをお伝えします。[もっと見る]