「放置なら納税意欲に悪影響」 国税庁に裏金の自民議員調査の要請

中野浩至
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 自民党派閥の裏金事件を受け、自営業者らが加盟する全国商工団体連合会(全商連、東京)は26日、裏金が所得税の課税対象に当たり得るとして、党所属の議員に対する税務調査を実施するよう、国税庁に要請書を提出した。

 同庁の担当者は「一般の納税者と国会議員に区別はない」としたうえで「課税上問題があると認められれば、税務調査を行うなど適正公平な課税の実現に努める」と話した。

 全商連は、自民党が実施した「全議員アンケート」で政治資金収支報告書への不記載が判明した85人について、不記載分(5億7949万円)のすべてが課税対象となった場合の追徴税額を独自に試算。重加算税が課されたと仮定すると、税額は6800~約1078万円となり、その総額は約1億3533万円に上るとした。

 この試算を踏まえて全商連は要請書で、中小業者には厳しい税務調査が行われる一方、申告・納税しない政治家を放置すれば「税務行政に対する信頼は失われ、納税意欲にも悪影響が及びかねない」と指摘した。政党から党幹部ら個人に渡され、使い道を明らかにしなくていい「政策活動費」と合わせて調査するよう求めた。

 一連の事件では派閥が主催した政治資金パーティーで、収入のうちノルマを超えた分が議員側に還流するなどして裏金化されていた。こうした資金が「議員の個人所得」と判断されれば、議員には納税義務が生じる。政策活動費についても、政治活動として使い切れなかった残額は所得税の課税対象となる。中野浩至

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