沿線の魅力、写真で伝えて ローカル鉄道の利用促進へコンテスト開催

吉田耕一
[PR]

 地方鉄道の利用促進を狙った沿線の写真コンテストが青森県内で開かれた。応募作品には沿線の魅力をとらえた力作が目立つ。コロナ下で進んだ利用者減の流れを食い止める一助となるか。

 青い森鉄道青森市)は、県や沿線市町が出資する第三セクターで、目時―青森間の121・9キロを運行。沿線には学校が多く、利用者の半数近くは通学客だ。同社によると、年間輸送人員はコロナ前の2017年度は約452万4千人だったが、22年度は約376万1千人に落ち込んだ。

 同社と同鉄道線利活用推進協議会は10年度、目時―青森間の全線開業に合わせ、フォトコンテストを開始。10回目になる今年度は「四季で楽しむ青い森鉄道の風景」をテーマに作品を募集したところ、県内から69点の応募があり、最優秀賞2点が選ばれた。

 最優秀賞は、春夏部門が青森市の山下慧さんの「虹のかかる空」で、秋冬部門が八戸市の木村忠司さんの「ダイヤモンドモーリー(モーリーは同鉄道のイメージキャラクター)」。

 応募時に、山下さんは「二重の虹の中を列車が走っていった。このチャンスは二度とないだろう」、木村さんは「寒い朝、太陽が電車の窓に入るタイミングに合う幸運に恵まれた」とコメントしている。

 五能線は、川部―東能代間の147・2キロを運行。白神山地の山麓(さんろく)や日本海沿岸を走る観光路線として知られる。JR東日本秋田支社によると、輸送密度(1日1キロあたりの平均乗車数)は、17年度は659人だったのに対し、22年度は407人に減っている。

 県西北地域県民局は今年度、「西北の鉄旅コンテンツ創出事業」として五能線のフォトコンテストを初開催。「JR五能線の魅力」をテーマに作品を募集し、県内外から寄せられた91点から、最優秀賞1点が選ばれた。

 最優秀賞の中嶋亮さんは五能線の魅力として、「荒れた海の日の日本海」を挙げている。審査では「波しぶきの躍動感と、走る五能線の組み合わせが良い。ダイナミックな感じが伝わる」と評価されたという。(吉田耕一)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません