なぜ?ビール各社の低アル・ノンアル推し ストロング系に強まる逆風
1日に飲む酒量が一定量を超えると、がんや脳卒中になるリスクが高まる――。厚生労働省はこのほど、過度の飲酒が健康に与えるリスクの指針を初めてまとめた。あえてお酒を飲まないライフスタイルの広がりもあり、ビール各社もアルコール度数の高い缶チューハイを減らしたり、度数が低い商品を積極的に出したりして対応を急いでいる。
厚労省が2月に公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、生活習慣病リスクを高める純アルコール量の1日あたりの参考値として、男性は40グラム以上、女性は20グラム以上とした。20グラムは、ビールのロング缶1本(500ミリリットル)、日本酒だと1合(180ミリリットル)にあたる。
一方で、原酒を水や炭酸水で割らずにすぐ飲める缶チューハイなどの「RTD」(Ready(レディ) To(トゥ) Drink(ドリンク))で、度数が8~9%の「ストロング系」を2010年代半ばから市場に相次いで投入したビール各社は、近年、縮小に動いている。
ストロング系は、ウォッカなどのベースになる酒にレモンやブドウといったフルーツの風味を加えたことで飲みやすく、安価ですぐに酔える半面、飲み過ぎにつながるとの指摘もあった。
20年に度数8%以上の商品が79あったアサヒビールはいま、2品目だけ。今後、新商品の投入もしないという。サッポロビールもこれまでに20品目を出したが、いまは9%の1品目だけで、新たな商品も出さない方針だ。
8%以上がいま14品目ある…
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