その一角にある事務所で、製品の受発注に使うファクス機が一枚の紙をはき出した。地元出身の国会議員が、夜の民放番組に出るという「出演情報」の告知だ。
「こんな情報のためにお金を払っているわけじゃないのにね」
紙を手にした女性がため息をつく。
家業を受け継ぐ夫と結婚して数十年。経理も担う女性の頭に浮かぶのは、毎月1万円、会社の銀行口座から「会費」名目で引き落とされていくお金のことだ。
決して順風とは言えない経営のなか、なぜ年12万円を払い続けるのか。
夫には何度か問いただしたことがある。返ってくるのはつれない返事ばかりだ。
結婚式に祝電、葬式に枕花
見知らぬ出費に気づいたのは、ずいぶん前のこと。お金の行き先は、自民党議員の後援会。夫の父親が始めた支払いだった。
何のための会費か。なぜ1万…
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