第1回兄弟だったロシア「今はギャングのよう」 侵攻2年「私の、あの日」
ロシアがウクライナに全面侵攻を開始してから2年近い月日が経とうとしています。空襲警報が頻繁に鳴り響くなど、戦争が日常化してしまったウクライナ市民の生活。この2年間で「最も忘れられない1日」を聞きました。
アンドリー・ドゥブチャクさん(47)@イルピン 2022年3月6日 目の前で迫撃砲が着弾
私は、ロシアによるウクライナ侵攻を2021年から伝える地元メディアの創設者です。東部地域で14年に始まった侵攻が「忘れられた戦争」になっていることを危惧しています。
22年3月6日、キーウ近郊のイルピンにいました。激しい戦いが続き、高齢者や女性らが逃げていました。私が建物の影に隠れ、ウクライナ軍兵士にレンズを向けると、目の前で迫撃砲が着弾しました。攻撃で、道路側にいた一家が亡くなりました。43歳のタティアナと、18歳の息子ニキータ、9歳の娘アリーセです。
撮影した映像は世界中で使われ、戦争犯罪の証拠にもなりうるものです。ただ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状が出るようになりました。
それでも、前線からの報道を続けています。情報は最も重要で、最も危険な武器。ロシアはそれがよくわかっている。ただ、「真実」は、ウクライナにより近い位置にあります。双方の等距離にはありません。
平和とは、自由に選択ができること。思想や移動、投票を選べること。戦わざるをえない状況にないこと。残念なことに私たちはもう長らく、平和とは何かを忘れてしまっているのです。
セルヒー・シドレンコさん(44)@キーウ 2022年6月17日 EUがウクライナを加盟で勧告
欧州連合(EU)とは何かをウクライナの人たちに伝え、EUにウクライナを近づけるためにネットメディア「ヨーロピアン・プラウダ」を創設しました。(親ロシア路線の政権崩壊をもたらした)尊厳の革命(マイダン革命)後の2014年のことです。
【連載】私の、あの日 ウクライナ侵攻2年
ロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まってまもなく2年となります。ウクライナの市民にとって「最も忘れられない1日」はいつだったのか。戦争が日常化する中で、人々が抱えてきた思いを取材しました。
当時はウクライナのEU加盟…
- 【視点】
今回の戦争で、ウクライナの人々には消すことのできないロシアへの憎悪と、ウクライナ人としての民族意識が刻み込まれました。2014年のクリミア占領のときとはまったく異なる点です。 私が昨年現地で会った学校の先生は皮肉交じりに言いました。「私たち
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