対話の用意=×、無条件降伏=○ プーチン氏発言、EUが意味を分析

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ブリュッセル=牛尾梓

 欧州連合(EU)の外交部門を担う欧州対外行動庁(EEAS)は、元テレビ司会者タッカー・カールソン氏のロシアのプーチン大統領へのインタビューの「ファクトチェック」を公開した。「NATO(北大西洋条約機構)は架空に作り上げたロシアの脅威を使って、加盟国の国民を恐怖に陥れている」と語ったプーチン氏の発言は誤りで、実際は「ロシアはほぼすべての隣国に何度も何度も脅したり攻撃したりしている」が正しいなどとした。

 インタビュー動画は、発言を英語で吹き替えた形で、カールソン氏のウェブサイトとX(旧ツイッター)で8日に公開された。米FOXニュースの元看板司会者であるカールソン氏は、ウクライナ支援に否定的なトランプ前米大統領に近い人物として知られる。プーチン氏の持論に対し、突っ込んだ質問もないまま、一方的な発信がなされる場になった。

 EEASは「『インタビュー』と呼ぶ人もいるが、プーチン帝国の薄っぺらな野望をうのみにしただけのもの」と評価。今回のインタビューを受けて、欧州議会の一部の議員からは、ロシアのプロパガンダ拡散に加担したとして、カールソン氏をEUの制裁リストに加えるべきだとの声も上がっている。

ジャーナリズムやロシアの専門家が分析

 EEASは、9日に公開した…

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この記事を書いた人
牛尾梓
欧州総局|欧州連合(EU)担当
専門・関心分野
国際政治、データジャーナリズム、AI、OSINT
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