病床、発熱外来の確保は国目標の6割 新たな感染症に備えた協定締結

藤谷和広
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 新たな感染症が流行した時の病床確保や発熱外来設置などに向け、都道府県と医療機関が結ぶ協定の締結見込みが国の目標の6割程度にとどまっている。厚生労働省の専門家部会で9日、調査結果が報告された。

 新型コロナでの教訓をふまえ4月に施行される改正感染症法では、都道府県は次のパンデミックに備え、感染者が入院する病床の確保や、感染が疑われる人を診察する発熱外来の設置、自宅や施設で療養する患者への医療提供などについて、事前に各医療機関と協定を結ぶことになっている。

 調査によると、昨年12月15日時点での締結見込みは、病床が国の目標(5万1千床)の約66%にあたる3万3723床、発熱外来が目標(4万2千カ所)の約62%の2万5959カ所にとどまった。自宅療養者への対応も目標(2万7千カ所)の約61%の1万6349カ所だった。

 厚労省によると、医療機関側から「財政支援が明らかではない」「医療従事者が感染した場合の補償がない」といった懸念が出ているという。部会では、感染症に対応できる人材の育成にかかる支援の必要性を指摘する意見も出た。

 厚労省は24年9月末の協定締結完了をめざし、改めて医療関係団体などに協力を要請する。(藤谷和広)

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