千葉大学長、教職員投票1位が選ばれず 大学院人文系教授会が質問書

重政紀元
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 1月に行われた千葉大学長選の選考に疑義があるとして、同大大学院人文科学研究院教授会は、学長選考・監察会議の議長宛てに、質問書を提出した。提出は1月30日付。

 同大によると、学長選には学長候補になった副学長の横手幸太郎・同大病院長のほか、2人が立候補。教職員の投票である学内意向聴取で横手氏は446票で、人文科学研究院所属の1位だった候補とは88票の差があったが、同会議は横手氏を選任していた。

 質問書では、学内意向聴取の結果と違う人物が選ばれたのに、選考理由などについて「現時点でされている説明は到底十分なものとは言えない」と批判。聴取結果を覆した理由の説明、どのような議論・過程を経て選考に至ったかなどについて今月20日までに回答を求めた。

 学内意向聴取の結果は学内には公示していたが、1月25日にあった同会議後の記者会見など外部に対しては、明らかにしていなかった。同大総務課は「どのような回答をするか、時期や方法について検討している」としている。

 国立大のトップはもともと学内の評議会で選んできたが、2004年に国立大の法人化に伴って外部委員などでつくる選考会議が決めることになった。このため、教職員の投票結果と選考会議の選任結果が食い違い、学内が紛糾するケースが各地で起きている。(重政紀元)

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    西田亮介
    (社会学者・日本大学危機管理学部教授)
    2024年2月3日9時31分 投稿
    【視点】

    あくまで意向に関する投票になってしまっているので、形式的に瑕疵があるという結論に至る可能性は極めて乏しいと考えるが、個人的にはこのルールが導入された時点で、まったく賛同しないが国立大学は実質教職員の意向と無関係に経営されるようになったと言わ

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