ICJの判断、グローバルサウスの主要国など歓迎 深まる欧米との溝

有料記事イスラエル・パレスチナ問題

テヘラン=佐藤達弥 サンパウロ=軽部理人 ニューデリー=石原孝
[PR]

 イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻をめぐり、国際世論の分断が深刻化している。国際司法裁判所(ICJ)は26日、イスラエルにジェノサイド(集団殺害)行為を防ぐための措置をとるように命じ、原告の南アフリカを含む「グローバルサウス」の多くの国々がその命令を歓迎した。一方、イスラエルは強く反発し、欧米からも停戦を求める声は低調なままだ。

 パレスチナ自治政府のシュタイエ首相は26日、声明で「この(ICJの)決定は、イスラエルが罰を逃れる期間の終わりを意味し、イスラエルを手助けしている国は支援をやめざるをえなくなる」と述べた。南アのラマポーザ大統領は記者会見で「裁判所は、国際法、人権、何より正義の勝利となる裁定を下した」と喜んだ。

 ICJの判断を追い風に、中東諸国もイスラエル批判を強める。

 トルコのエルドアン大統領は…

この記事は有料記事です。残り1420文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【本日23:59まで!】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2024年1月28日10時19分 投稿
    【視点】

    グローバルサウスと欧米の溝が深まったのではなく、もともと存在する溝が改めて浮き彫りにされた、そう考えさせられる記事です。 今回のイスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻だけではなく、2022年から続くロシアのウクライナ侵攻、遡れば2

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2024年1月28日11時38分 投稿
    【視点】

    確かに政府レベルで見れば、欧米vsグローバルサウスという対立が見えるが、市民社会のレベルでは、欧米でも確実にイスラエル批判は高まっている。 イスラエルの軍事行動を最も強力に支えてきたのがアメリカ政府だ。南アフリカがICJに提訴して以来

    …続きを読む
イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル・パレスチナ問題

パレスチナとイスラエルの間で激しい武力衝突が起き、双方に多大な犠牲者が出ています。最新の動きをお届けします。[もっと見る]