「共同親権」導入は拙速 実務家の弁護士423人が法務省へ申し入れ

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編集委員・大久保真紀

 法制審議会(法相の諮問機関)の部会で、離婚した父母がともに子の親権を持ち続ける「共同親権」の導入が議論されていることを受け、離婚事件などを扱う弁護士らが24日、東京都内で記者会見し、拙速に議論を進めることに異議を唱えた。

 部会は早ければ今月末にも、共同親権の導入などを盛り込んだ要綱案をまとめる可能性がある。会見に参加した「共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会」は、離婚やDV(家庭内暴力)の事件を扱う弁護士423人が賛同した申入書を同日付で法務省に提出し、慎重な議論を求めた。

 「弁護士の会」の岡村晴美弁護士は「いまの案ではDVや虐待から被害者を守れないだけでなく、現場を混乱させ、紛争が増える。子どものためにならない」と主張。「離婚紛争の現場で活動する弁護士の懸念を無視しないでほしい」と述べた。

 要綱案に向けた「たたき台」には、DVや虐待など、子の利益のために「急迫」の事情があれば単独での親権行使を認める案が盛り込まれた。

 岡村弁護士は「何が『急迫』…

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この記事を書いた人
大久保真紀
編集委員
専門・関心分野
子ども虐待、性暴力、戦争と平和など