「プラレール愛」いっぱい タカラトミーの作品大賞に北海道の作品
鉄道おもちゃの代名詞的存在「プラレール」。子どもだけでなく、魅了される大人も多い。北海道音更町在住の団体職員、藤嶺匡宏(ふじみねまさひろ)さん(55)も、そんな一人だ。プラレールを始めて約20年。プラレールの写真コンテストで、プラレール愛がいっぱい詰まった藤嶺さんの作品が大賞に輝いた。
コンテストは「一畳プラレールコンテスト」。発売元の大手玩具メーカー「タカラトミー」(東京)が、「限られた空間の中で、自由に想像を膨らませて、レイアウトを作る楽しさを感じてもらおう」と、初めて開催した。約90センチ×約180センチの空間で出来栄えが競われた。
昨年夏に、レイアウト作品を撮影した写真を出展してもらい、昨秋に結果が公表された。入賞者10人の中で、大賞に輝いたのが、「しゅっぽーとぴお」こと藤嶺さんの作品だった。
藤嶺さんの作品は、中心部に山から山にかかる大型の鉄橋を配置。紅葉が色づいた秋の情景や緑豊かな春夏の情景などをコーナーで分けた。レールには、現役から国鉄時代までの特急車両や、昔懐かしいSL、コンテナを連ねた貨物列車も。北見地方で収穫されたタマネギを本州へと運ぶいわゆる「タマネギ列車」などだ。
販売終了品や限定品など、藤嶺さんがこれまで集めた車両や情景部品をふんだんに盛り込んだ。
同社広報課によると応募総数は非公表だが、「多数のお客様に応募いただいた」とのこと。北海道の車両へのこだわりや、所々に配置された人形の動きも細かく再現されている点などが、高く評価されたという。
「まさか大賞を取るとは思わなかった」という藤嶺さん。設計図などは無く、組み立てながら、北海道の自然の中を進む列車をイメージし、3~4時間ほどで情景を作り上げたという。
藤嶺さんがプラレールを始めたのは2001年ごろ。当時2歳の長女と遊ぼうと、「きかんしゃトーマス」のセットを買ったのがきっかけだ。「子どものおもちゃと思っていたけど、遊んでいるうちに、どんどん楽しくなっちゃった」
車両やレールなどをコレクションして楽しんでいたが、05年に、帯広市の百貨店で開かれたイベントで、レイアウトを展示したのが転機となった。子どもたちだけではなく大人も喜ぶ姿を見て以来、十勝地方の図書館などの公共施設や金融機関のイベントなどで、レイアウト展示会をたびたび開くようになった。
プラレールの魅力を、デフォルメされながら実物の特徴をとらえた車両や情景パーツなどとともに、レールの無限の組みあわせによる、「自分が想像した情景や世界を、人それぞれに自由に作れるところ」という。小学生時代、地図記号などで紙に絵を描いて、町を考える遊びをしていたことも、一助になっているという。
夢は退職後、十勝地方の各市町村を回って展示会を開くこと。「65年というロングセラー商品で、世代を超えて、誰もが知っているおもちゃ。子どもも大人も、多くの人に楽しんでもらえるような活動を続けたい」
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