終わらぬ戦闘…そのとき拍手が起きた 「地獄」のガザで広がるうわさ
パレスチナ自治区ガザ地区で、ある「明るいうわさ」が繰り返し広がっている。イスラム組織ハマスの壊滅を狙うイスラエル軍の激しい攻撃で2万6千人以上が亡くなり、「この世の地獄」(国連)とすら称される地で、人々が希望を託すうわさとは――。南部ラファ在住のムハンマド・マンスール朝日新聞通信員が報告する。
ガザの夜は、相変わらず深い闇で塗り込められている。
イスラエルが電気の供給を制限し、ハマスとの戦闘開始から100日以上、ほとんど停電しているからだ。
1月上旬のある夜、光が差すかのような明るい歓声が耳に飛び込んできた。
子どもたちの声だ。
暗くて辺りの様子はよく分からなかったが、方々から口笛も鳴り響き始めた。
何が起こったのか。
声のする方へ急ぐと、子どもたちが避難所の屋根の上ではしゃいでいた。
母親ら数人が、満面の笑みを浮かべて見守り、拍手をしている人もいた。
その場にいた男性たちが、口々に私に尋ねる。
「記者か。停戦が決まったというのは本当か」
ガザでは通信状況が劣悪なため、私を含めたジャーナリストも、外部からの情報を即座につかむのは難しい。
停戦などという話はもちろん聞いていなかったが、情報の裏付けを取ろうと試み始めた、その時だった。
近くでけたたましい爆撃音が…
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イスラエル・パレスチナ問題
イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]