岸田派の解散をいち早く表明して勝負に出た岸田文雄首相だったが、世論の不信は根深く、自民党からは首相の一貫しない姿勢に怒りも漏れる。22日に示された裏金事件の対応策は首相の苦境を物語っている。
22日の自民党政治刷新本部では「『中間とりまとめ』に向けた論点」というタイトルの1枚紙が出席者に配られた。一読した中堅議員は「派閥解消の手前止まり。しょぼい内容だ」と思った。
論点には焦点の一つだった「全派閥解散」は明記されなかった。代わりに「いわゆる『派閥』の解消、真の『政策集団へ』」という表現が盛り込まれ、「派閥」は「政策集団」という名称に衣替えし、事実上存続することになった。ある若手議員は「派閥を解散しても『政策集団』として存続していたら国民は納得しないだろう」と語る。
そもそも今回示された論点では、党内から「我々は元々政策集団だ」(茂木派議員)という声が出ているように、派閥と政策集団の違いが不明確であるうえ、政策集団の法的位置づけもはっきりしない。立件対象となった岸田、安倍、二階の3派は解散を表明し、「その他の政治団体」としての総務省への届け出を近く取り下げる方向だ。しかし、届け出を取り下げても政策集団として活動できるのであれば、3派には再結集の余地が残る。自民党の派閥はこれまで解散表明をしては再結集を繰り返してきた歴史があり、首相自身も周囲に「人間関係は続く」と漏らすなど、岸田派の政策集団としての存続を否定していない。
首相「幹部がお金を出すしかないでしょう」
論点ではまた、政策集団が「…