毛筆教えず筆ペン、卒業後補習も 奈良教育大付小で「不適切な指導」

有料記事

机美鈴

 奈良教育大学は17日、同付属小学校(奈良市、児童数527人)で、長年にわたり毛筆の授業が行われないなど、8教科で履修漏れや授業時間の不足といった学習指導要領に沿わない指導がなされてきたと発表した。履修漏れについては補習を実施するなど、卒業生も含めて対応を検討するという。

 宮下俊也・同大学長らが会見を開いて明らかにした。昨年5月、奈良県教育委員会に外部から指摘があったとの連絡を受け、大学が調査委員会を設け、報告書をまとめた。

 報告書によると、国語の毛筆の授業を3年生以上で実施せず、6年生は4年間で計120時間不足していた。2016年度の監査で指摘されて以降も筆ペンの指導しかしていなかった。理科は3年生で教えるべき項目を5年で教えるなど、12項目が「年次違い」と認定。図画工作では教科書を使用していないことなどが問題とされた。校内に蓄積してきた教材を用いたり、年次を変えたりする方が教育効果が高いと判断していたという。

 道徳は、全校集会で「道徳的…

この記事は有料記事です。残り930文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
机美鈴
奈良総局|県政・教育担当
専門・関心分野
ジェンダー、性、動物福祉、化学物質過敏症
  • commentatorHeader
    武田緑
    (学校DE&Iコンサルタント)
    2024年1月18日18時14分 投稿
    【解説】

    保護者説明会において、これまでの教育を支持し「良さがなくならないようにしてほしい」との声が最も多かった、というのは大きく報道されてほしいところです。ガバナンス・コンプライアンスの問題はあったのだろうと言わざるを得ません。 ですが、こちらは

    …続きを読む