女性はいつまで雇用の調整弁なのか 「夫が稼ぐ」の家族像が生む貧困

有料記事

聞き手・田中聡子

 人手不足が深刻となる中、パート労働者が手取りを減らさないように労働時間を抑える「年収の壁」が問題視されています。生活困窮者を支援する「つくろい東京ファンド」の小林美穂子さんは、年収の壁が女性の貧困の一因になっていると指摘します。どういうことなのか、話を聞きました。

 生活困窮者にかかわる活動をする中で、新型コロナによってフェーズが変わったとしばしば感じます。支援団体の食料配布に来る方はもともと路上生活者が多かったのが、コロナ以降はそれまでは自力で生活できた人たちが交ざるようになりました。コロナ下の最も早い時期に目立ったのが、子どもを連れた女性です。

 この国で女性として生きることと貧困とは、隣り合わせです。年収の壁に象徴される「夫が稼いで妻は専業主婦」という家族像は、容易に女性のキャリアを断絶させ、女性が低賃金の労働に従事することを当然視してきました。

 私もひとごとではありません…

この記事は有料記事です。残り839文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません