生成AI「ただ乗り」へ危機感 無断学習の歯止め案、国がパブコメへ
生成AI(人工知能)による記事や画像データなどの無断利用が著作権侵害にあたる場合もあるとした「AIと著作権に関する考え方」素案について、文化審議会著作権分科会の法制度小委員会は15日、内容を大筋で了承した。パブリックコメント(意見公募)を経て、今年度中に正式に決定する方針。
著作権法では、生成AIに著作物を学習させる際は、原則として許諾は不要と定めている。生成AIによる「ただ乗り」(フリーライド)に対してクリエーターや業界団体から懸念の声が上がっていることを受け、文化庁は昨年12月に「考え方」素案を公表。特定のクリエーターの作品のみを学習した生成AIが作風をまねる懸念に言及し、クリエーターの著作権が及ぶ場合もあると指摘するなどした。現行の著作権法の解釈を明確にし、生成AIによる著作物の無断利用に歯止めをかけたい考えだ。
15日の小委員会では、委員からの指摘を踏まえ改訂した素案を文化庁が提示。「ただ乗り」が指摘されている、検索エンジンを組み合わせた生成AIをめぐり、開発段階で許諾が必要になる場合について詳しい説明を加えた。生成AIが学習する既存のデータベースやウェブ上のデータに著作物が含まれ、その「創作的表現の全部または一部を出力すること」を目的としている場合に、許諾が必要になると記した。
素案について委員からは大きな異論はなかった。一方で、「従来の著作権法は必ずしもAIを念頭に置いて設計されたものではない」として、既存の枠組みで対応できない場合は、将来的には立法の議論も必要だとする意見もあった。
「軽微利用」超えていると指摘
生成AIを組みこんだ様々な…