棋譜を再現して語る動画削除は「利益侵害」 大阪地裁「利用は自由」
森下裕介
将棋の対局の実況中継を見ながら、自ら用意した盤面で「棋譜」を再現しつつ視聴者と感想を語り合う動画を配信する奈良市内の男性が、中継する放送事業者「囲碁将棋チャンネル」の要請で動画を削除されたのは不当だとして、約338万円の損害賠償などを求める訴訟を大阪地裁に起こした。16日の判決で、武宮英子裁判長は「棋譜は公表された客観的事実。自由に利用できる情報だ」と判断。同社が営業上の利益を侵害したと認定し、約118万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2020年9月~23年1月、将棋の8大タイトル戦の「王将戦」などを取り上げた動画10本をユーチューブなどで配信した。放映権を持つ囲碁将棋チャンネルが「著作権侵害」を理由にユーチューブ運営会社に削除を申請し、動画は一時的に見られなくなるなどした。
武宮裁判長はまず、動画は著…
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