Haruhiさん 歌い踊り、全国からファンが集うインストラクター
職業は「ジムのインストラクター」。だが歌い、踊り、レッスンの参加者にポジティブなメッセージを投げかける――。無為に時間を過ごしていた頃、そんな新しいフィットネスとの出合いが、彼女の人生を変えた。
新しいフィットネスのスター
「ハルヒさんをこがないと年を越せない」「もはやレッスンではなくミュージカル」「歌声だけで泣いちゃいます」
レッスン後、SNSにはそんな投稿が並ぶ。バイクエクササイズのインストラクター、Haruhiさんへの賛辞だ。
照明を落とし“暗闇”となったジムのスタジオ。レッスンの参加者数十人がフィットネスバイクにまたがり、レーザーライトやミラーボールが照らす中、インストラクターの指示に合わせて体を動かす。時に心拍数は100mの全力走直後ほどまで上がり、滝のような汗が流れる全身運動。だがこぎ終えた参加者からは、満ち足りた笑顔がこぼれ、拍手が鳴り響く。
米ニューヨーク発祥の「暗闇フィットネス」を、国内でいち早く取り入れた「FEELCYCLE」(フィールサイクル)。約40のスタジオと18万人の会員を持ち、所属インストラクターは約300人。Haruhiさんはその中でトップクラスの人気を誇る。
現在の活動拠点は関東。だが、ファンやSNSで評判を聞きつけた新規の参加者が、北海道や東北、関西、九州からもレッスンに集まる。チームを率いて出演した2022年12月のライブイベントは1万円以上のチケット300枚が10分かからず完売した。
この新スタイルのフィットネスは、インストラクターの指示で行う「コリオ」と呼ばれる振り付けの動作があるのが特徴。腕立て伏せや腹筋などの要素も含まれ、有酸素運動と筋トレの両方が可能になる。インストラクターたちは、高強度にもなるレッスンで参加者を励ますため、歌い、踊り、“You can do everything!(あなたたちは何でもできる!)”とポジティブな英語のメッセージを投げかける。
会員も、単なるフィットネスを超えた、ライブに参加するような体験を期待して参加する。こうした独自性が、新しいフィットネス業界のスターを生み出している。
Haruhiさんの持ち味は歌声などの表現力。ポップスからロック、ヒップホップ、ジャズなど海外の往年の名曲や最新ヒットチャートソングを、バイクをこぎながら歌い上げる。ステージ上で披露するダンスやちょっとしたしぐさはショーさながらだ。ペダルの回転数が上がって苦しいときも、参加者が目を奪われて自然と顔が前を向く。そんなレッスンの満足度で、リピーターとなるファンを増やしてきた。
前職時代の経験が契機に
現在8年目。これまでに提供したレッスンは3千回を超す。
フィールサイクルを運営する…
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