朝ドラ主人公に推薦、「新幹線の生みの親」十河信二 今も郷土の誇り

有料記事

堀江泰史

 「新幹線の生みの親」と呼ばれる十河(そごう)信二は、今もなお新幹線が走っていない四国で生まれた。

 JR伊予西条駅(愛媛県西条市)を降りると、四国鉄道文化館がある。2007年に北館、14年に南館がオープン。1964年の東海道新幹線(東京―新大阪間)開業時に登場した初代0系新幹線や蒸気機関車の実物、鉄道標識、車輪などが展示されている。

 北館の隣にある建物は、十河信二記念館。手記や遺品などの品々が置かれ、書斎も再現されている。

 十河は愛媛県の新居浜市で生まれ育ち、西条市で学んだ。第4代国鉄総裁を務め、新幹線建設を主導。開通前年に退任した。

 いま、十河を妻・キクとともにNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)の主人公にしようという動きがある。新居浜、西条の両市で署名活動を昨年5月に始め、すでに6万人を超える署名を集めた。両市長らは東京・渋谷のNHK放送センターにも要望に訪れた。

尋常中学時代に「世界を背負って立つ」

 十河とはどんな人物なのか。1884年、新居郡中村(現在の新居浜市中萩町)の農家で生まれ、4人きょうだいの次男として育った。地元の小学校を卒業し、今の西条市内にあった愛媛県尋常中学東予分校に入学した。

 西条藩の藩庁だった陣屋跡にあり、当時の大手門は今も西条高校の正門として使われている。十河もこの門をくぐって通った。

 門は1636年に建てられ…

この記事は有料記事です。残り1486文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
堀江泰史
松山総局|東予地区担当
専門・関心分野
深く広くを目指します。