ガザで人道的停戦求める決議案、米国が拒否 国連安保理、合意できず

有料記事イスラエル・パレスチナ問題

ニューヨーク=中井大助
[PR]

 国連安全保障理事会は8日、イスラエル軍の侵攻が続くパレスチナ自治区ガザ地区で即時の人道的停戦を求める決議案を米ニューヨークの国連本部で採決した。15カ国の理事国のうち、日本を含む13カ国が賛同したが、イスラエルを支持する常任理事国の米国が拒否権を行使したため、採択されなかった。同じ常任理事国の英国は棄権した。

 10月7日にイスラエルとイスラム組織ハマスの間の軍事衝突が始まって以来、安保理で決議案が否決されたのは5回目。11月15日には人道支援を目的とした戦闘の「休止」を求める決議を賛成多数で採択したが、再び合意を得ることができなかったことで、改めて安保理の分断が浮かびあがった。11月の決議採択では米英とロシアが棄権した。

 8日の決議案はアラブ首長国連邦が提案し、少なくとも97カ国が共同提案していた。民間人が国際法に基づいて保護されるべきだとして、人道的停戦に加え、人質の即時解放を求めていた。

 しかし、米国は決議案にハマ…

この記事は有料記事です。残り335文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    錦田愛子
    (慶應義塾大学教授=中東政治、難民研究)
    2023年12月9日11時36分 投稿
    【解説】

    今回のイスラエル・ガザ戦争に対しては、グテーレス事務総長による積極的な関与の姿勢がうかがわれる。8日の停戦決議案をUAEが提出するきっかけとなったのは、グテーレス事務総長自身による国連憲章99条に基づく要請であった。 99条は「事務総長は

    …続きを読む
イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル・パレスチナ問題

パレスチナとイスラエルの間で激しい武力衝突が起き、双方に多大な犠牲者が出ています。最新の動きをお届けします。[もっと見る]