京都から麻布台ヒルズへ、関東進出した大垣書店会長に聞く本屋の未来

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聞き手・田中ゑれ奈
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 日本一高いビルで注目を集める「麻布台ヒルズ」が東京都港区に開業しました。この都心の複合施設に、京都を中心に展開する書店チェーン「大垣書店」が、関東初の直営店を出店しています。西のローカル書店が創業82年目で挑む新たなチャレンジとは。大垣守弘会長に聞きました。

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 ――「大垣書店麻布台ヒルズ店」はグループ50店舗目、大垣書店としては40店舗目。どんな店になりますか

 麻布台ヒルズを手がけた森ビルさんのリクエストは「あらゆるジャンルで思いがけない出合いがある店づくり」でした。麻布台ヒルズのターゲットは富裕層で、書店をぶらぶらしながらビジネスのアイデアをつかみ、時代の変化を読もうとする方々が来る。それまで全く興味のなかったことも含めて、新しい発見がある店がコンセプトです。

 我々はいつも地元密着で、京都の中でもそれぞれの立地にあわせて店づくりをしてきました。今回、麻布台ヒルズという「街」をつくると聞いたので、その「街の本屋」ならできるかなと。お客さんの好みを聞いて品ぞろえを変えながら、10年、20年と続く書店をつくっていけたらなと思っています。

 ――麻布台ヒルズ店では書店にカフェとギャラリーを併設し、アート作品も販売するのですね

 京都で運営している複合施設「堀川新文化ビルヂング」では書店の上階でギャラリーをやっているし、京都本店のイベントスペースでも芸術作品を展示することがあります。そのなかで、書店とアートはすごく相性がいいなと感じまして。人が集まりやすいところで作品を見てもらえるのは、アーティストにとっても喜ばしい。コミュニティーとしての機能が書店には求められていると思っています。

 麻布台ヒルズ店の中のカフェ…

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この記事を書いた人
田中ゑれ奈
文化部
専門・関心分野
美術、ファッション、ジェンダー